TMO(サーモフィッシャーサイエンティフィック)今後の見通し
サーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(DHRとTMOを比較:ダナハーとサーモフィッシャーサイエンティフィック)を参照
直近決算
1月30日(米国時間)にTMO(サーモフィッシャーサイエンティフィック)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想5.95$→結果6.1$
・売上高:予想112.9億$→結果114億$(前年同期比+5%)
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsider
企業概要
サーモ・フィッシャー・サイエンティフィックはライフサイエンス研究、診断、環境・食品安全、製薬業界向けの機器、試薬、ソフトウェア、サービスを提供しています。
2006年にThermo ElectronとFisher Scientificが統合して誕生し、研究開発から臨床診断、製薬業界向けサービスまで多岐にわたる分野で成長を続けています。
TMOは、ライフサイエンス、診断、研究機器市場で高いシェアを誇っています。
その主要事業セグメントと製品とサービスは以下の通りです。
★ライフサイエンス・ソリューションズ(Life Sciences Solutions):研究用試薬、実験機器、DNA解析ツール、細胞培養製品などを提供。製薬企業、大学、研究機関に向けた革新的なソリューションを展開。
★分析機器(Analytical Instruments):質量分析計、クロマトグラフィー装置、分光分析機器などを提供。環境・食品安全、法医学、材料科学の分野で利用される精密機器を開発。
★専門診断(Specialty Diagnostics):感染症、がん、遺伝子疾患の診断に使用される試薬や機器を開発。COVID-19の検査キットや分子診断装置など、医療業界のニーズに応える製品を提供。
★ラボ製品・バイオ医薬品サービス(Laboratory Products & Biopharma Services):実験室用消耗品、培養液、試薬、保管ソリューションなどの提供。製薬会社向けのCDMO(受託製造・開発)サービスを展開し、バイオ医薬品の開発と商業化を支援。
TMOは経営戦略として以下の3つを推進しています。
・革新的なライフサイエンス技術の開発:遺伝子編集、分子診断、バイオプロセス技術の分野で研究開発を強化。AIとビッグデータ解析を活用し、個別化医療や創薬をサポート。
・グローバル市場での拡大:米国、欧州、アジア市場でのプレゼンスを強化。新興国市場への投資を増やし、顧客基盤を拡大。
・M&A戦略による成長(後述)
TMOの歴史は、それぞれの前身企業に遡ります。
Fisher Scientificは1902年に創業され、実験室用機器や試薬の販売で業界をリード。一方、Thermo Electronは1956年に設立され、分析機器や測定技術を強みとしていました。
2006年の統合により、両社の技術と製品ポートフォリオが統合され、ライフサイエンス業界の総合的なサービスプロバイダーとしての地位を確立しました。
2014年にはLife Technologiesを買収し、バイオテクノロジー市場を拡大。
2017年にPatheonを買収し、製薬業界向け受託製造サービスを強化。
2021年にはPPD(臨床試験支援企業)を買収し、医薬品開発の支援機能を強化しました。
現在、本社は米国マサチューセッツ州にあり、13万人以上の従業員を擁しています。
【出典】
【事業構成】
【地域別売上高】