ZS(ズィースケーラー)今後の見通し
ジースケイラー(Zscaler, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(CRWD/ZS:クラウドストライクとズィースケーラーの比較)を参照
直近決算
5月26日(米国時間)にズィースケーラー(Zscaler, Inc.)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想1.01$→結果1.08$
・売上高:予想8.36億$→結果8.5億$(前年同期比+25%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想1.03$→結果1.08~1.09$
・売上高:予想8.78億$→結果8.75~8.78億$
《通年》
・EPS:予想4.02$→結果4.1~4.11$
・売上高:予想33.2億$→結果33.3~億$
★出所
・IRページ
・予想値はinvestors.comを参照しました。
企業概要
ジースケーラー(Zscaler, Inc.、NASDAQ: ZS)は、クラウド経由で提供するゼロトラスト型セキュリティ基盤「Zero Trust Exchange」を中核に、企業のインターネット接続、社内/クラウドアプリへのアクセス、データ保護、運用可視化、セキュリティ運用を統合的に担うクラウドベースのセキュリティプラットフォームを提供しています。2007年に設立され、2018年にNASDAQへ上場しました。[1]
従来のオンプレミス型セキュリティ(“社内に入れば信頼”の城と堀モデル)とは異なり、ユーザー、端末、場所、アプリ、ワークロードを問わず通信ごとに検証し、必要最小限の権限で接続するゼロトラストを実装します。リモートワーク、SaaS、マルチクラウド、AI活用の広がりに合わせ、ネットワーク、セキュリティ、データ保護、セキュリティ運用の再設計を後押しします。[2]
ビジネスモデルはサブスクリプション(月額/年額)中心です。FY2025通期売上は26.731億ドル、Q4売上は7.19億ドル、年次経常収益(ARR)は30.15億ドルでした。さらにFY2026第2四半期(2026年1月31日終了)の売上は8.158億ドル(前年同期比+26%)、ARRは33.59億ドル(前年同期比+25%)に拡大しました。顧客は9,400社超、Fortune 500の45%超、Global 2000の約40%をカバーし、160超のグローバルデータセンターでサービスを展開しています。[3][4]
継続収益に支えられつつ、AIを活用した検知・自動化、SOC運用強化、データ主権対応、AIアプリケーション利用時のデータ保護を拡充しています。買収と内製を通じて、ユーザー、拠点、工場(OT)、クラウドワークロード、SaaS、AI利用、SOC運用まで、ゼロトラストの適用領域を広げています。FY2026第2四半期決算では、同社は成長の柱としてAI Security、Zero Trust Everywhere、Data Securityを挙げています。[5]
主な事業領域は以下の通りです。
★クラウドセキュリティプラットフォーム:企業のWeb/SaaS通信をクラウド側で検査・制御するZscaler Internet Access(ZIA)を提供します。SWG、CASB、DLP、ブラウザ分離、サンドボックスなどを統合したSSEとして、拠点・端末を問わない安全なインターネット利用を実現します。[6]
★リモートアクセスセキュリティ:VPN不要のゼロトラスト接続Zscaler Private Access(ZPA)を提供します。ユーザーとアプリを直接・安全にマッチングし、社内ネットワーク全体へ入れずに必要なアプリだけへ接続させることで、横移動リスクを抑えます。[7]
★データ保護と脅威対策:Zscaler Data Protection、DLP、CASB、ブラウザ分離、暗号化、分類、サンドボックスなどを組み合わせ、SaaS/クラウド/Web通信におけるデータ可視化・統制を強化します。生成AI利用の広がりに合わせ、AIアプリやAIワークフローに流れる機密データの保護も重要なテーマになっています。[8]
★デジタル体験監視(DEM):Zscaler Digital Experience(ZDX)で、端末、ネットワーク、Zscalerサービス、インターネット、SaaSアプリのボトルネックを可視化し、ユーザー体験の低下原因を切り分けます。ネットワークとセキュリティがクラウド化するほど、単に守るだけでなく「遅い/つながらない」を説明できる運用基盤が重要になります。[9]
★クラウド/拠点・OT保護:クラウドワークロード間接続のWorkload Communications、CNAPP/CSPM領域のPosture Control、拠点向けのZero Trust SD-WAN/Zero Trust Branchなどを通じ、クラウド、支店、工場(OT)の通信までゼロトラスト化を進めています。従来のファイアウォール中心の境界防御を、クラウド型のゼロトラスト接続へ置き換える方向です。[10]
★付帯サービス:導入設計・運用定着のプロフェッショナルサービス、教育・トレーニング、MDR/マネージド運用などを提供します。2025年8月にRed Canary買収を完了したことで、脅威インテリジェンス、検知、調査、対応、MDR、SOC運用の領域を強化しました。[11]
社史:2007年に設立。2018年にNASDAQ(ティッカー:ZS)へ上場し、以降グローバル展開を加速しました。2020年にアプリ間通信の分割を手掛けるEdgewise Networks、2021年にTrustdome(CIEM)とSmokescreen(ディセプション)、2023年にCanonic(SaaSサプライチェーン)を獲得。2024年はAvalor(Security Data Fabric、AI強化)を買収し、同年にAirgap Networks(エージェントレス分割)買収も完了しました。2025年8月にはRed Canary(MDR/SOC運用)の買収を完了し、Security Operations領域を大きく拡張しました。SSE領域ではガートナーのMagic Quadrantでリーダー評価が続いています。[12]
企業のゼロトラスト導入は業界・地域を問わず進展しています。北米を主軸に欧州・アジアにも拠点/データセンターを拡大し、データ主権(ソブリン)対応やFedRAMP High(米連邦向け)などの規制要件にも対応しています。SASEではZero Trust SD-WANと統合し、ファイアウォール中心の従来型ネットワークからの置き換えを進めています。一方で、Palo Alto Networks、Netskope、Cloudflare、Microsoft、Ciscoなどとの競争は激しく、ARR成長率、既存顧客へのクロスセル、Red Canary統合後の有機成長率が投資上の確認点になります。[13]
ワンポイント解説
- ゼロトラスト=最初は誰も信頼しないセキュリティシステム:通信ごとに身元・状況を確認し、必要最小限だけ通す考え方です。[2]
- ZIA:社外(Web/SaaS)に出る通信を“雲の上の関所”で検査して安全にする仕組みです。[6]
- ZPA:ネットワークには入れず、必要なアプリだけに“個別のドア”で届ける仕組みです。横移動を防ぎやすくなります。[7]
- ZDX:遅い/つながらない原因を、端末からネットワーク、アプリまで見える化する運用監視機能です。[9]
【注】(出典リンク)
- 会社概要・設立年・NASDAQ上場・Zero Trust Exchange → Zscaler Form 10-K(FY2025、SEC) → Zero Trust Exchange(確認日:2026-05-10) ↩
- ゼロトラストの考え方・通信ごとの検証 → Zscaler: What is Zero Trust? → Zero Trust Exchange(確認日:2026-05-10) ↩
- FY2025通期売上・ARR・FY2026 Q2売上・ARR・キャッシュフロー → FY2025 Q4/通期決算リリース → FY2026 Q2決算リリース(確認日:2026-05-10) ↩
- 顧客数・Fortune 500比率・Global 2000比率・データセンター数 → Zscaler Investor Relations → Zero Trust Exchange At a Glance(確認日:2026-05-10) ↩
- AI Security・Zero Trust Everywhere・Data Securityの成長柱 → FY2026 Q2決算リリース → Zscaler AI Security(確認日:2026-05-10) ↩
- ZIA・SSE・Web/SaaS通信保護 → Zscaler Internet Access → Security Service Edge(確認日:2026-05-10) ↩
- ZPA・VPN不要のゼロトラスト接続 → Zscaler Private Access → ZTNA解説(確認日:2026-05-10) ↩
- データ保護・CASB・DLP・AI利用時の保護 → Zscaler Data Protection → Zscaler CASB(確認日:2026-05-10) ↩
- ZDX・デジタル体験監視 → Zscaler Digital Experience → ZDX Data Sheet(確認日:2026-05-10) ↩
- Workload Communications・Posture Control・Zero Trust SD-WAN/Branch → Workload Communications → Posture Control → Zero Trust SD-WAN(確認日:2026-05-10) ↩
- Red Canary買収完了・MDR/SOC運用強化 → Zscaler: Red Canary買収完了 → Zscaler MDR(確認日:2026-05-10) ↩
- 買収履歴・SSEリーダー評価 → Edgewise買収 → Trustdome買収 → Avalor買収 → Gartner SSE Magic Quadrantリーダー評価(確認日:2026-05-10) ↩
- FedRAMP High・データ主権・SASE/SD-WAN・競争環境 → FedRAMP High認可 → 欧州データ主権対応 → Zscaler Form 10-K(競争リスク)(確認日:2026-05-10) ↩
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】

