WMT(ウォルマート)今後の見通し

ダウ30銘柄,必需品

ウォルマート(Walmart Inc)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。


銘柄比較については関連記事(WMT/COST:ウォルマートとコストコを比較)を参照

直近決算

ウォルマートは8月21日(米国時間)に決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.74$→結果0.68$
・売上高:予想1744億$→結果1774億$(前年同期比+5%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想0.57$→結果0.58~0.64$
・売上高:予想3.75~4.75%
《通年》
・EPS:予想2.64$→結果2.52~2.62$
・売上高:予想3~4%
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreet insiderを参照しました。

企業概要

ウォルマート(Walmart Inc)は世界最大の小売チェーンです。毎週およそ2億7,000万人の顧客が、世界19カ国(米国を含む)の実店舗・ECサイトを利用しています。FY2025(2025年1月期)の売上高は6,810億ドル、従業員数は約210万人です。(出典:同社ニュースリリース 2025/4/24)

創業者サム・ウォルトンの名を冠した同社は、「エブリデー・ロープライス(Everyday Low Price)」という低価格戦略を掲げ、米国を中心に実店舗とオンライン販売を組み合わせたオムニチャネル(=「店舗+ネット」を一体で提供する仕組み)の戦略を展開しています。(出典:Location Facts)

アーカンソー州ベントンビルに本社を置き、国内外に約10,750の店舗・クラブを運営しています。以前の表記「約10,500」「24カ国」は現在の公表値に合わせて更新しました。(出典:Location Facts / 2025年年次資料)

会員制量販店「サムズ・クラブ」は米国およびプエルトリコで約600店舗を展開。2025年は既存約600クラブの全面改装を進めつつ、今後は年間およそ15クラブの新規出店ペースを目標に掲げています。(出典:Sam’s Club 2025年投資家向け発表)

社史をさかのぼると、同社は1962年にサム・ウォルトン氏によって設立。当初は中西部の小規模ディスカウントストアとしてスタートしました。
低価格戦略と自前物流(DC・在庫連携)により急速に成長し、1980~90年代に国内最大手の小売企業としての地位を確立。その後はメキシコ、カナダ、チリ、中国、インド(フリップカート)などへ国際展開を広げてきました。(出典:会社概要・IR)

オンライン販売の強化も継続中です。店舗在庫を使った「ピックアップ&デリバリー」やマーケットプレイス(外部出店者が販売する場)、フルフィルメント(WFS)、会員制「Walmart+」を組み合わせ、売上のデジタル比率を高めています。2025年は広告(Walmart Connect、VIZIO買収の統合効果)や会員収益が高成長領域として言及されています。(出典:2025年4–8月の同社発表・ニュース)

なお、医療の対面クリニック事業(Walmart Health)は2024年に全拠点(51施設)とバーチャルケアの終了を決定しました。一方で、店内の薬局やビジョンセンター等の「健康・ウェルネス」サービスは継続しています。(出典:Walmart Health閉鎖発表 2024/4/30)

海外・提携面では、2018年にインドのネット通販フリップカートの筆頭株主となり、2025年時点で持分は80%超と報じられています。フリップカートは2025年6月、インドで「直接融資」機能に関する規制当局の承認も得ています。一方、2016年から保有していたJD.com株は2024年8月に全持分を売却しています。(出典:Reuters 2025/6/5・2024/8/21 ほか)

また、広告・コネクテッドTV強化の一環で2024年12月にVIZIOの買収を完了。広告事業(Walmart Connect)は2025年に大幅成長を続けています。(出典:同社発表 2024/12/3・2025/8/21)

配送面では、Alphabet傘下のWing等と連携し、ドローン配送の対象店舗を段階的に拡大中です(数十分以内の配送を目指す取り組み)。(出典:報道 2025/6)

事業の柱と取り組み

その事業は大きく「店舗販売・スーパーマーケット」「オンライン販売・オムニチャネル戦略」「付加価値サービス」に分かれます。初心者向けに要点を整理します。

店舗販売・スーパーマーケット:ディスカウントストア、スーパーマーケット、倉庫型店舗(サムズ・クラブ)など多様な形式で展開。食品・日用品を中心に、衣料、家電、薬局商品など生活必需品を低価格で提供します。現在は世界19カ国(米国含む)で店舗・クラブを運営。(出典:Location Facts)

オンライン販売・オムニチャネル戦略:Walmart.comやアプリを通じてオンライン販売を展開。店舗在庫を使ってすぐ受け取れる「店舗受け取り(Pick up)」や、店舗からの当日配送など、実店舗とネットをシームレスに連携しています。第三者出店のマーケットプレイスや、出店者向け物流のWFS(Walmart Fulfillment Services)も拡大しています。(出典:同社マーケットプレイス情報・各種統計)

付加価値サービス
広告(Walmart Connect):店舗・アプリ・コネクテッドTV(VIZIO SmartCast)等の面で広告を提供。2025年も高成長領域です。
会員(Walmart+):配送料無料やガソリン割引などの特典でリピートを促進。
金融・ヘルスケア:送金・プリペイド等のマネーサービス、店内薬局・ビジョンセンター等を提供(注:Walmart Healthクリニックは2024年に撤退)。(出典:同社発表・ニュース)

WMTの強み

低価格戦略:独自のEDLP(毎日低価格)と効率的なサプライチェーンで、インフレ局面でも価格優位を維持。(出典:決算発表コメント)
広大な店舗ネットワーク:米国と海外19カ国相当のネットワークが、ECの受取・配送拠点としても機能。(出典:Location Facts)
オムニチャネルと高付加価値領域:EC、広告、会員、マーケットプレイスなど粗利の高い収益源が拡大。(出典:2025年決算・投資家向け資料)

【補足】

オムニチャネル:店舗とネットを一体で運営し、どこで買っても同じ体験を提供する考え方。

マーケットプレイス:サードパーティ(外部出店者)がWalmart上で販売する場。

WFS:Walmart Fulfillment Services。出店者がWalmartの倉庫・配送を利用できる仕組み。

Walmart Connect:Walmartの広告事業ブランド。店舗・アプリ・コネクテッドTVを横断して広告枠を提供。

技術活用(AI・物流・決済)

AI・データ活用:在庫・需要予測・顧客分析に加え、店舗従業員向けの生成AIツール(MyAssistant等)を社内展開し、業務効率と接客品質の向上を図っています。(出典:同社ニュース 2025/6・7)

物流の革新:高度な配送網と自動化倉庫、店舗起点の即配モデル、ドローン配送の拡張で「早く・安く」を追求。(出典:報道 2025/6)

デジタル決済:Walmart Pay等のキャッシュレス機能により、店頭・オンライン双方の会計をスムーズにしています。(出典:公式ヘルプ等)


【出典リンク】

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

【出典】

Posted by 南 一矢