GM(ゼネラルモーターズ)今後の見通し

株価•決算,消費財

ゼネラルモーターズ(General Motors Company)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(GMとFを比較:ゼネラルモーターズとフォードモーター)を参照

直近決算

10月21日(米国時間)にGM(ゼネラルモーターズ)は決算を発表しました。
GM(ゼネラルモーターズ)決算
(※自動車大手)
★業績
《四半期》
・EPS:予想2.32$→結果2.8$
・売上高:予想453.3億$→結果485.9億$(前年同期比+0%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想9.45$→結果9.75~10.5$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました

企業概要

ゼネラルモーターズ(General Motors Company, NYSE: GM)は、1908年設立の米国大手自動車メーカーです。主要ブランドはシボレー、GMC、キャデラック、ビュイックで、北米・国際(アジア・中南米など)を中心に乗用車・SUV・ピックアップの開発・製造・販売を行い、金融子会社のGM Financialがローン/リース等を提供します(報告セグメント:GM North America(GMNA)/GM International(GMI)/GM Financial/Cruise、基準:2024通期〜2025年Q1)。[1][2]

GMは米国で高いシェアを維持しつつ、中国・南米など主要市場で事業を展開。欧州は2017年に一度撤退しましたが、2023年以降はスイスを起点に電気自動車(EV)ブランド「キャデラック」を直販で再展開しています(段階的に対象国拡大の方針)。[3]

その事業は以下の部門に分かれています。

(1) GM北米(GMNA):米国・カナダ・メキシコの販売・製造・サービスを担当。シボレー、GMC、キャデラック、ビュイックを展開し、内燃・ハイブリッド・EVをラインアップ(UltiumプラットフォームベースのEVを拡充)。[1]

(2) GMインターナショナル(GMI):中国、南米、韓国、その他地域で事業を展開(中国は合弁を通じて展開)。2025年上期の中国販売は前年同期比+9.4%の約89万台と回復基調です。[4]

(3) GMファイナンシャル(GMF):自動車ローン、リース等の金融サービスを提供(北米・国際、ならびに中国の合弁を含む)。[1]

(4) Cruise:自動運転(AV)技術の研究開発を担うセグメント。2024年12月に事業の再編・費用圧縮と、個人向け自動運転技術へのフォーカスを公表(2025年前半に再編完了見込み)。[5]

沿革と再編:GMは2009年に連邦倒産法の適用を受け再編、2010年に再上場。その後、2017年に欧州事業を売却するなど選択と集中を進め、電動化とソフトウェアを中核にした事業構造へ移行しています(基準:2024通期)。[1]

最近の戦略と実績(2024通期〜2025年):EVはUltiumプラットフォームの量産拡大により、2025年Q2の米国EV販売は前年同期比+111%(台数ベース)。Equinox EVの寄与でシボレーは米国EV販売2位のポジションを獲得しました(年初来・GM公表)。[6][7] 一方、収益面では関税や保証費用等の影響から、2025年Q2の純利益は19億ドル(前年同期比減)。通期ガイダンスは据え置きとしています。[8]

電動化の当面方針:純EVシフトを軸にしつつ、規制・需要動向に対応するため、北米でプラグインハイブリッド(PHEV)を2027年から順次導入する計画を示しています。[9]

ミニ解説:GMは「北米の収益基盤×国際の回復×EV拡販」を柱に、短期は利益管理を重視し、中期はUltium量産・ソフトウェア機能(運転支援)・PHEV投入で需給の変動に耐える設計。自動運転はCruiseを再編し、個人向け機能への実装を優先するモードに移行しました(2024通期〜2025年)。[5][6][8]

【注】(出典リンク)

  1. 会社概要・ブランド・セグメント(GMNA/GMI/GMF/Cruise) → SEC Form 10-K(2024年12月期)(確認日:2025-09-25)
  2. セグメントの継続(2025年Q1報告) → SEC Form 10-Q(2025-03-31)(確認日:2025-09-25)
  3. 欧州でのキャデラックEV直販再展開(スイス開始、他国へ拡大方針) → Cadillac Europe Newsroom(2023-10-05)(確認日:2025-09-25)
  4. 中国販売:2025年上期の台数・市場シェア改善 → GM China Newsroom(2025-07-04)(確認日:2025-09-25)
  5. Cruise再編(費用圧縮・個人向けAV技術へフォーカス、所有比率引き上げ意向) → GM Newsroom(2024-12-10)(確認日:2025-09-25)
  6. EV販売モメンタム(米国:シボレーがEV販売2位、Equinox EV寄与) → GM Newsroom(2025-06-09)(確認日:2025-09-25)
  7. 投資家向け資料(Q2 2025:EV販売+111%、Equinox EVの好調等) → Q2 2025 投資家資料(2025-07-22)(確認日:2025-09-25)
  8. 2025年Q2決算(売上$47.1B、純利益$1.9B、ガイダンス据え置き) → Q2 2025 決算リリース(2025-07-22)(確認日:2025-09-25)
  9. PHEVの北米導入計画(2027年開始方針) → AP(2024-01-30/31)(確認日:2025-09-25)

四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果

最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。

売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。

(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。

EPSと売上:予想:結果

【出典】

Posted by 南 一矢