LMT(ロッキードマーチン) 今後の見通し
ロッキードマーチン(Lockheed Martin Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(LMTとRTXを比較:ロッキードマーチンとレイセオンテクノロジーズ)を参照
直近決算
2024年10月22日(米国時間)にロッキードマーチンは決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想6.5$→結果6.84$
・売上高:予想173.7億$→結果171億$(前年同期比+1%)
★ガイダンス
《通年》
・EPS:予想26.44$→結果26.65$
・売上高:予想710.6億$→結果712.5億$
★出所
・IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderを参照しました
企業概要
ロッキードマーチンはアメリカの主要な防衛(軍需)企業です。
ステルス戦闘攻撃機F35(ライトニング)の主要な製造元です(この戦闘機はNATO諸国や日本などで国際共同開発された)。
LMTは、世界最強のステルス戦闘機F22ラプターを開発し、航空宇宙分野だけでなく、防衛分野全般でトップ企業となっています。
防衛産業というと、BA(ボーイング)を連想した方もいるかもしれませんが、BAは約7割が民間向けの売上です。
LMTの売上の約8割は軍需部門なので、こちらのほうが軍需主体の企業だと言えます。
社史をさかのぼると、1981年に民間航空機事業から撤退し、1993年にGD(ゼネラルダイナミクス)から戦闘機部門を買収、1995年にマーチンマリエッタと合併し、2015年にはUTX(ユナイテッドテクノロジーズ)からヘリコプター部門のシコルスキーを譲受し、米国の軍需企業の雄となりました。2020年12月にはロケットエンジンを作るエアロジェット社を買収。
防衛産業は日本ではよく思われていませんが、実際にはLMTなどが生み出した高性能な装備が日本の防衛に貢献しています。
例えば、F15戦闘機はボーイングからのライセンス生産、ミサイル防衛システムはレイセオン、F16戦闘機はロッキード・マーティン社が製造しています(自衛隊のF2戦闘機はF16の日本向けバージョン)。
80年代以降の日本の平和はF15とF16の大量導入によって守られてきましたので、日本国民は米国の防衛産業の恩恵を受けています。
軍需企業は「戦争が起きれば儲かる」という危険な構造を抱えていますが、日本やNATO、オーストラリアなどの同盟国の防衛日本やNATO、オーストラリアなどの「同盟国の防衛」を支える役割も担ってきました。
実際に、自衛隊が用いるF35Aのお披露目の式典では「この戦闘機は今後の日米同盟の象徴だ」というPRがなされています。
同盟と言っても、それを支える装備がなければお題目になるので、「F35は日米同盟の象徴」になっているわけです。
(※以下、ロータリー&ミッションは軍・民のヘリコプター等→R&M。以下、宇宙システム=宇宙、ミサイル&火器管制=ミサイル等)
【事業構成】
【地域別売上高】