LRCX(ラムリサーチ)今後の見通し

半導体,情報技術

ラムリサーチ(Lam Research Corporation)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。

目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。

金利と株価:過去~現在

※チャート左目盛り:青線は株価推移赤線は200日移動平均線

※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り

※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。

銘柄比較については関連記事(AMATとLRCXを比較:アプライドマテリアルズとラムリサーチ)を参照

直近決算

1月30日(米国時間)にLRCX(ラムリサーチ)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.88$→結果0.91$
・売上高:予想43.1億$→結果43.8億$(前年同期比+17%)
★ガイダンス
《四半期》
・売上高:予想44.3億$→結果46.2~46.8億$
★出所
IRプレスリリース
・予想値はstreetinsiderとヤフーファイナンスを参照しました

企業概要

ラムリサーチは、アメリカ・カリフォルニア州フリーモントに本社を置く、IC製造向け半導体装置の世界的なリーディングカンパニーです。半導体メーカーが微細化・高性能化を実現するための基盤技術を支えています。

エッチング、堆積、そして特にシングルウェハ洗浄など、ウエハー製造工程における重要なプロセス装置を提供。特にエッチング装置およびシングルウェハ洗浄システムで高い市場シェアを誇り、TSMC、Samsung、Intelなどの主要半導体メーカーとの長期的なパートナーシップを構築しています。

1980年、創業者デイビット・ラム(David K. Lam)氏によって設立され、社名は創業者の名前に由来しています。

設立当初から、エッチングおよび堆積技術に注力し、1980年代~1990年代にかけて革新的な装置を市場に投入。これにより、世界中の製造工場(ファブ)から高い評価を受け、グローバル展開の基盤を築きました。1990年代以降は、継続的な技術革新と効率的な生産システムの構築により、最先端の製造プロセス技術を提供する企業として成長を続けています。

ラムリサーチの事業は、主に半導体ウエハー製造工程で用いられる装置および関連サービスの提供に集約されます。具体的な製品・サービスは以下のとおりです。

★エッチング装置:ウエハー上のレジストパターンに基づき、不要な材料を正確に除去するための装置。特に、シリコンウエハーに塗布された特殊フィルムの一部をエッチングして回路を形成する際の高精度な加工技術が求められ、高い評価を得ています。

★堆積装置:化学蒸着(CVD)や原子層堆積(ALD)など、ウエハー表面に薄膜を形成する工程で使用される装置。高いスループットと優れた膜品質を実現し、次世代半導体製造において重要な役割を担っています。

★クリーニング装置(シングルウェハ洗浄システム):製造工程中に発生する無機物(例:金属を含む微粒子)や有機汚染物質(ポリマー化合物など)を除去するための装置。微小な汚染物質を確実に洗浄することで、ウエハーの品質と歩留まりの向上に貢献しています。

★その他のサービス:装置の設置、定期メンテナンス、プロセス最適化支援、技術サポートなど、顧客の製造プロセス全体をトータルにサポートするサービスを提供しています。

ラムリサーチは半導体の微細化や複雑化に対応するため、継続的な研究開発(R&D)への投資を重ねています。トランジスタの微細化に伴い、エッチングおよび堆積プロセスの精度向上が求められています。

また、プロセス制御と自動化に関しては、リアルタイムのプロセスモニタリングや自動制御機能を装置に搭載することで、工程の均一性と歩留まりを向上させています。

特にシングルウェハ洗浄システムでは、微細な汚染物質の除去を自動化する技術が重要な役割を果たしています。

リスク要因としては、米中間の貿易摩擦などの地政学的なリスクや世界的なサプライチェーンの不確実性に対応するため、地域分散型の生産体制や柔軟な供給網の構築が必要です。

★出所

Lam Research公式HP
Wikipediaページ
Bloombergによる企業概要
Reutersによる企業概要

【地域別売上高】

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Posted by 南 一矢