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インドネシアのジョコウィ大統領の素顔

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インドネシアは天然ガスや石炭などの資源だけでなく、食材(海老や生姜等)や木材なども豊富な国です。

そして、物資が運ばれる海上交通路(シーレーン)に位置するので、日本にとって非常に大事な国の一つです。

この国は若年層が多い2.5億人の人口構成を持ち、2010年~17年では4.8%~6.4%の範囲をキープしているので、今後の発展が期待されています。

その人口の8割はイスラム教徒ですが、世俗国家なので、イスラム教が強制されることはありません。

そのため、グローバルに見ると、イスラム世界と他の文化圏の橋渡しができる重要な国だとも評価されています。

しかし、わが国では、同国のジョコ大統領の人物像も、いまひとつ知られていません。

そこで、今回はインドネシアの経済力とその可能性を紹介してみます。

ジョコウィ大統領ってどんな人? 庶民派とも言われるが・・・

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2014年10月にインドネシア大統領に就任したジョコ・ウィドド氏は1961年に中部ジャワ州にあるスラカルタ(ソロ)市で生まれました。まだ56歳(誕生日は6/21)なので、各国の大統領の中では若いほうです。

趣味はロック音楽だそうで、グーグルで検索するとカジュアルなシャツを着た写真が出てきます(顔つきはややオバマ氏と似ている)。

ジョコ氏はスラカルタ市の貧しい大工の家に生まれ、父の家具工房を手伝いながら小中学校に通学していました。

高校卒業後はガジャ・マダ大学林業学部に進学し、木材加工を研究しました。

この大学を24歳の時(1985年)に卒業し、木工業の会社に勤めましたが、そこではうまくいかず、叔父の木材会社に勤務。その後、自分で家具製造と輸出を行う企業をつくっています。

事業経営でも倒産と再建を経ながら二男一女を育てているので、かなりの苦労人という感じがします。

その後、31歳頃にインドネシア商工会議所のスラカルタ支部鉱業エネルギー部長に就任(1992~96年)。41歳頃からインドネシア家具手工芸品協会会長(2002~07年)を務めました。

政治家としては、44歳(2005年)の時にスラカルタ市長に就任(2010年再選)。

市長時代には、スラカルタ市を観光都市として盛り上げました。

ヨーロッパ方式の都市計画を採用したり、ジャワ文化を振興したり、2007年にワールドミュージックフェスティバルを開催したりもしています。

そして、市長ニ期目の途中で州知事選に出馬し、51歳(2012年)の時にジャカルタ首都特別州知事に転じました。

知事として福祉政策に力を入れ、低所得者向けの無料医療サービス制度の導入等を行っています。

やや慌ただしいのですが、2014年に知事一期目の途中で辞任し、2014年のインドネシア大統領選に出馬しました。

その人生の流れを見ると、40代後半から一気に弾みがつき、トントン拍子に大統領まで昇りつめています。

このあたりは「機を見るに敏だった」と言うべきなのでしょう。

ジョコウィ氏は汚職撲滅や貧困層への社会福祉を重視

ハンフィントンポストは、ジョコ氏を肯定的に評しています(「インドネシア大統領選、当選したジョコ・ウィドド氏はどんな人」2014年7月23日)。

ジョコ氏は国内では映画スター並みのファンがいる。大統領選では、行政の透明性を高めて汚職をなくし、農村振興や教育制度の充実で経済の底上げを図ると強調。経済成長率7%を達成すると訴えた。

当選時には、清廉な庶民派のイメージと貧困層対策で人気を博し、見事、大統領選に勝利しています。

外務省資料(「インドネシアの新政権について」2014年12月)によれば、インドネシアでは「貧困率は低下するも、貧困層は依然多数」であり、2010年時点で「人口の約46%が1日の所得2ドル未満」に置かれていたので、格差是正を切望する人が多かったのでしょう。

04年から13年までで「国民一人当たりGDPは3倍に」なりましたが(1160ドル→3480ドル)、貧困層の1日の所得水準が低すぎ、一人当たりGDPは平均値でしかなかったので、ジョコウィ氏の政策に期待が集まったわけです。

ジョコウィ当選以前:インドネシアの政権交代

庶民派大統領が出、国民の人気を博している理由は、インドネシアの歴史を見ないと分かりにくいところがあります。

ジョコウィ氏を支援したのは2001年~04年まで大統領を務めたメガワティ氏です。

インドネシアでは軍人出身の政治家が大統領になることが多く、ジョコウィ氏の対抗馬だったプラボウォ・スビアント氏(62歳)はもともと陸軍の高官(戦略予備軍司令官)でした。

(※当時の得票率はジョコウィ氏が53.15%、プラボウォ氏が46.85%)

ジョコウィ氏の前任者にあたる軍人出身のユドヨノ大統領は04~14年までの長期政権を敷き、国の安定と経済成長を実現しました。

しかし、不人気な人事(宗教相に宗教的な少数派を軽視する人物をあてた)や政敵を汚職捜査で陥れた疑惑などが浮上し、新進気鋭のジョコウィ氏に敗れています。

ジョコ氏は政界に新風を吹き込む人材として期待されたわけです。

この構図はジョコウィ氏を支援したメガワティ元大統領(2001~04年まで就任)が当選した時と似ています。

第二次大戦後、インドネシア独立を実現したスカルノ(建国の祖)をクーデターで倒したのはスハルト将軍でした。

スハルトは1967年から98年まで超長期政権を敷き、経済成長を実現します。

この体制は、非民主的でしたが経済成長が続いたので、いわゆる「開発独裁」のモデルになります。

そして、スハルト没後、経済や科学技術等の内政に長じたハビビ大統領(98年~99年)から元陸軍大将のワヒド大統領(99年~01年)へと政権が継承されました。

しかし、この政権は腐敗や賄賂などが深刻化し、(当時の)野党であるインドネシア民主党を率いるメガワティ氏(この人はスカルノとその第一夫人ファトマワティの長女)が政界に新風を吹き込む人物として期待され、大統領となりました。

メガワティ氏は社会福祉を重視し、親日的な軍人政権とは違い、親中外交を進めたのです。

日本人とは違い、インドネシア人には「元軍人の政権=悪」というイメージはないのですが、元軍人の長期政権が続くと、その対抗勢力として、社会福祉を重視するソフトなイメージを持った指導者の出現が待望されるようです。

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ジョコウィ時代のインドネシア経済

では、インドネシア経済はどのような状況にあるのでしょうか。

投資環境を把握するために、世界銀行のデータバンクからフィリピンの主要統計を閲覧してみます。

実質GDPと失業率

実質GDPは2010年米ドル基準 。失業率はILO方式。

実質成長率 総額(億$) 一人当たり($) 失業率
2005 5.7 5712 2520 7.7
2006 5.5 6026 2622 7.6
2007 6.3 6409 2751 8.1
2008 6.0 6794 2877 7.2
2009 4.6 7109 2970 6.1
2010 6.2 7551 3113 5.6
2011 6.2 8017 3263 5.2
2012 6.0 8500 3415 4.5
2013 5.6 8973 3560 4.3
2014 5.0 9422 3693 4.1
2015 4.9 9881 3828 4.5
2016 5.0 10379 3975 4.1
2017 5.1 10905 4131 4.3

名目GDPと名目GNI

名目GDP 名目GNI
総額(億$) 一人当たり($) 総額(億$) 一人当たり($)
2005 2859 1261 2768 1220
2006 3646 1586 3156 1370
2007 4322 1855 3719 1600
2008 5102 2161 4571 1940
2009 5396 2254 5130 2140
2010 7551 3113 6123 2520
2011 8930 3634 7377 3000
2012 9179 3688 8893 3570
2013 9125 3621 9398 3730
2014 8908 3492 9230 3620
2015 8609 3335 8865 3430
2016 9323 3570 8906 3410
2017 10155 3847 9344 3540

GDPの構成比率(単位別:%)

GDPの構成比率:消費+総資本形成+輸出ー輸入。その%の内訳。

消費 総資本形成 輸出 輸入
2005 72.5 25.1 34.1 29.9
2006 71.3 25.4 31.0 25.6
2007 71.9 24.9 29.4 25.4
2008 69.0 27.8 29.8 28.8
2009 68.3 31.0 24.2 21.4
2010 65.2 32.9 24.3 22.4
2011 64.5 33.0 26.3 23.9
2012 65.6 35.1 24.6 25.0
2013 66.3 33.8 23.9 24.7
2014 66.6 34.6 23.7 24.4
2015 67.2 34.1 21.2 20.8
2016 67.3 33.8 19.1 18.3
2017 66.4 33.4 20.4 19.2

人口伸び率など

総人口(万人) 人口増加率 出生率 平均寿命
2005 22671 1.38 2.51 67.2
2006 22984 1.37 2.51 67.4
2007 23299 1.36 2.51 67.6
2008 23616 1.35 2.50 67.8
2009 23934 1.34 2.49 68.0
2010 24252 1.32 2.48 68.2
2011 24571 1.30 2.47 68.3
2012 24888 1.28 2.46 68.5
2013 25203 1.26 2.44 68.7
2014 25513 1.22 2.41 68.9
2015 25816 1.18 2.39 69.0
2016 26112 1.14 2.36 69.2
2017 26399 1.10

高支持率のジョコウィ政権

ジョコ・ウィドド大統領は高支持率を誇っています(毎日新聞「インドネシア 国民に高い人気 就任2年ジョコ大統領」2016年10月19日、平野光芳)

  • 民間の研究所が2016年8月に実施した世論調査では、ジョコ政権について66.5%が「満足している」と回答。貧困層向けの医療保障や教育・福祉政策に評価が高く、支持拡大につながっている・
  • 「ジョコ氏の人気をしのぐ政治家はおらず、3年後の再選の可能性が高まっている」(インドネシア学術研究院のシャムスディン・ハリス教授)
  • 今後の課題はインフラ整備。3500万キロワット分の発電所整備や、ジャカルタ−バンドン間(約140キロ)の高速鉄道建設、高速道路・港湾整備等。
  • 土地収用の遅れや資金不足から計画通りに進まないケースが多いため、実現に向けた手腕が問われる。

結局、経済が高成長を続けているから高支持率なのかもしれません。

個々の産業分野を見ると、インドネシアでは、低価格・低燃費の「LCGC(ローコスト・グリーンカー)」に人気が集まり、「昨年8月にトヨタ自動車とダイハツ工業が7人乗りのLCGC車「カリヤ」「シグラ」を発売するなど、LCGC車の市場が新車販売全体を押し上げている」ことが報じられました(日経電子版「インドネシア、16年の新車販売106万台 3年ぶり増加 」2017/2/6)

もともと資源国なので、インドネシアではエネルギー企業も伸びています。

これに関しては「メドコ・エネルギー・インターナショナル」の躍進が日経電子版でも注目されていました(インドネシア、エネルギー新興企業躍進 メドコ、鉱業・発電にも進出」2017/2/11)。

同社の概要は以下の通りです。

 ヒルミ社長の兄、アリフィン氏が1980年に創業した民間エネルギー会社。94年に新規株式公開(IPO)。96年に南スマトラで巨大な油田を発見し、事業拡大をテコに海外展開を開始。2004年にオーストラリアの同業を買収した。05年以降にリビアやイエメンなどの油田開発に乗り出すも、民主化運動「アラブの春」を巡る政情不安などで停滞。創業一族の投資会社が大株主で、07年には三菱商事が出資した。アドバイザーや監査役にはルトフィ元貿易相など元閣僚をそろえる。

メドコ社は昨年6月に「米ニューモント・マイニングや住友商事などから、バトゥ・ヒジャウ鉱山の運営会社を26億ドルで買収すると発表し」、「年内にも銅などの製錬所建設に着手する」ことが報じられています。

従来の石油・ガスだけでなく、これに「発電、鉱業を加えた3本柱を育てる」(ヒルミ・パニゴロ社長)方針なのです。同社は2016年に24000億ドルで「アジア最大級のガス埋蔵量を持つとされる」「南ナトゥナ海B鉱区」の40%の権益を買収してもいます。

2.5億もの人口と豊富な資源を持つインドネシアの潜在力が注目されているわけです。

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EIDO(iシェアーズMSCI インドネシアETF)とは

では、インドネシアに投資したら儲かるのでしょうか。

その一例として、インドネシアの90銘柄から成るMSCIインドネシアインベスタブルマーケット指数に連動する【EIDO】のデータを見てみます。

EIDO:株価推移

EIDO:トータルリターン等

以下、ブルームバーグHPのデータです(2018/9/19閲覧。配当利回りは税込。R=リターン。TR=トータルリターン)。

  • 株価52週レンジ : 21.27 - 30.61
  • 直近配当額 : 0.446
  • 直近配当利回り : 4.03%
  • 経費率 : 0.62%
  • 3ヶ月TR : -9.02%
  • 年初来R : -19.55%
  • 1年TR : -16.34%
  • 3年平均TR : 6.61%
  • 5年平均TR : -1.20%

EIDO:分配金

モーニングスターHPによれば、通年で累計したEIDOの分配金(ドル)は以下の通り。

  • 2017年:0.3593
  • 2016年:0.2641
  • 2015年:0.3478
  • 2014年:0.3624
  • 2013年:0.4638

EIDO:ポートフォリオ

ブラックロック社のEIDO紹介記事によれば組み入れ銘柄の業種比率は以下の通り(8/23閲覧)。

  1. 金融:37.66
  2. 生活必需品:15.04
  3. 一般消費財・サービス:12.26
  4. 電気通信:10.4
  5. エネルギー:7.96
  6. 素材:7.34
  7. 不動産:3.48
  8. 資本財・サービス:2.85
  9. ヘルスケア:1.72
  10. 公益事業:1.26
  11. キャッシュ等:0.04

主な投資先銘柄をブルームバーグのデータ(2018/9/19)で見てみます。

  1. BBCA : バンク・セントラル・アジア 13.28
  2. TLKM : テレコムニカシ・インドネシア 10.02
  3. BBRI : バンク・ラヤット・インドネシア 9.95
  4. ASII : アストラ・インターナショナル 8.54
  5. BMRI : バンク・マンディリ 7.35
  6. UNVR : ユニリーバ・インドネシア 4.25
  7. BBNI : バンクネガラインドネシア(ペルセロ) 3.36
  8. UNTR : ユナイテッド・トラクターズ 3.25
  9. INKP : インダ・キアット・パルプ・アンド・ペーパー 2.87
  10. GGRM: グダン・ガラム 2.18

この10社はみなインドネシア市場上場(IJ)です。

長期で見ると、新興国特有の上がり下がりの激しさが目につきます。

2015年以降は右肩上がりですが、18年に入り、株価が下がりました。

米国の利上げが続けば、新興国やアジア諸国から資金が米国に還流するので、今後は注意が必要です。

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ジョコウィ外交:対日・対米関係の強化

最後に、政治面の動きを整理しておきます。

日本・インドネシア首脳会談

2017年1月15日の首脳会談前に、ジャカルタポストの記事(2017/1/10)は、以下のように述べていました。

国際貿易センターの貿易地図のデータによれば二国間の輸出入総額は531.4億ドル(2015年)から312.7億ドル(2011年)へと41%ほど減少した。

この期間に日本へのインドネシア製品の出荷は46.5%ほど急落している。これは全体の輸出額の総額の減り具合(33%)よりもはるかに多い。

日本のインドネシアへの投資は150億ドル(2011年前半期)から290億ドル(2016年前半期)へと着実に増加している。16年と15年はほぼ総額は同じだ(インドネシアに投資している国の中では日本は第二位に位置する)。

(Stefani Ribka ”Japan, Indonesia target trade revival” The Jakarta Post, January 10, 2017)

日本は農業と漁業の関税を下げ、インドネシアが以前に失敗した自動車関税の引き下げについて議論したほうがよいとも指摘しています。

過去の動きを見ると、2015年3月にジョコ大統領は訪日して安倍首相と会談(23日)し、その後、26日に訪中して習主席と会談しているので、訪日+訪中という東南アジア首脳のよくある動き方をしていました(スーチー氏もドゥテルテ氏も昨年、訪中+訪日を行っている。順序は逆だが・・・)。

その後、16年1月に中国が受注した高速鉄道がジャワ島で起工しています。中国製新幹線を導入し、建設・運営がこれから上手くいくのかどうかが注目されているわけです。

しかし、外交面では海洋国家を標榜し、中国にも一定の警戒を示しているので、日本とも協力関係を築くことは可能でしょう。

ジョコ大統領は、大統領選の勝利演説で「世界の海洋国家の軸となるインドネシアを目指す」「大海、海、海峡、湾は我々の文化の将来である」とも述べています(外務省「インドネシアの新政権について」2014年12月)。

そして、14年11月の安倍首相との会談でも海洋における「法の支配」を重視する方針を出しています。

南シナ海南端のインドネシア領ナトゥナ諸島沖で中国船がたびたび出没しているので、安全保障面では日本と協力しています。

その海域(EEZや領海等)への中国船侵入に関しては、刺青入りの女傑であるスシ海洋・水産相が拿捕後の爆破を決断し、この問題が世界に知られました。

(※詳細は産経ニュース「違法操業した外国漁船を次々爆破…インドネシアの女傑 スシ海洋・水産相の素顔に迫る」2016.5.6参照)

ジョコ氏は親中派のメガワティ氏の支援を受けて当選しましたが、海洋安全保障に関しては、中国に厳しい姿勢を打ち出しています。

その後、17年1月15日の首脳会談の結果が時事ドットコムの記事(1/15)で報じられています。

 南シナ海問題で、両首脳は「法の支配や紛争の平和的解決の重要性」を確認。両国の外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)を今年中にジャカルタで開催し、具体的な協力について協議していくことで一致した。同会議は2015年12月に東京で開かれて以来となる。

また、海上自衛隊の救難飛行艇US2などの輸出を念頭に、首相は防衛装備品・技術移転協定の締結交渉加速を呼び掛けた。中国漁船の違法操業事案のあった南シナ海・ナツナ諸島周辺での水産分野の協力も提案した。
首相は新規の経済協力として、海岸保全やかんがい施設整備のため、円借款を含め総額約740億円の供与を表明。また、既存鉄道(ジャカルタ-スラバヤ間)の高速化支援や、昨年5月に合意した西ジャワ州の新港整備を加速させる考えも伝達した。

(時事ドットコム「日インドネシア、南シナ海で連携強化=沿岸警備や離島開発を支援-740億円供与」1/15)

南シナ海を巡る海洋安全保障での協力、インフラ投資等が話題に上りました。

インドネシアは結局、高速鉄道を中国から導入しましたが、次の日本からの投資分野はどこになるのかが気になるところです。

ペンス・ジョコウィ会談の概要

17年4月20日には、ペンス副大統領がジョコウィ大統領と会談しました。

ホワイトハウスHPの記事から主な内容を紹介してみます。

(出所:Remarks by the Vice President and Indonesian President Widodo to the Press | whitehouse.gov

ーーーー

【ウィドド氏】

(論題の中で)一番目に上がるのは、米国とインドネシアの戦略的な協力関係の強化だ。

  • 我々は協力と投資の問題に焦点を当てている。
  • 来月に、相互に有利になる解決策を探ることを原則とした二国間の貿易と投資を議論する会合を発足させる。
  • 第二に、世界で最大のイスラム国家であり、世界第三の人口を誇る民主主義国・インドネシアは世界平和に向けた協力関係の強化に合意している。

【ペンス氏】

  • 私がここに送られたのは、米国がインドネシアとの戦略的な関係を重視しているためだ。
  • 第二に、世界で第三に大きな民主主義国であるインドネシアと我々は多くの価値観を共有しているーーそれは、自由、法の支配、人権、宗教的な多様性などでだ。
  • 米国はインドネシアとの協力関係を誇りとし、これらの価値を生まれながらに権利を持つすべての人々に広げたいと考えている。

会談では、米国とインドネシアとの経済関係の強化や、南シナ海を念頭に置いた地域の安全保障問題における協力、テロ対策におけるインドネシアの長年の貢献などが話題にのぼりました。

ペンス氏はインドネシアは伝統的に穏健なイスラムだと評価し、米国はインドネシアが防衛協力に最も昔から関わった国の一つであることを誇りに思うと述べています。

そして、特に「航行の自由」の維持についての発言が注目されました。

ーーー

米国は、南シナ海とアジア太平洋全般における航行と飛行の自由を基本的に守り続ける。合法的な商取引が妨げられるべきではない。地域と世界における懸案事項に対処すべく、平和的に外交的な対話を促進してゆく。

The United States will uphold the fundamental freedoms of navigation and overflight in the South China Sea and throughout the Asia Pacific; will ensure the unimpeded flow of lawful commerce; and promote peaceful diplomatic dialogue to address issues of regional and global concern.

ーーー

ペンス氏がインドネシアを訪問したのは、同国経済の将来性と南シナ海問題での対中牽制のためです。

ジョコウィ大統領が2017年末に日本にメッセージ

ジョコウィ大統領は2017年12月22日に日本経済新聞社のインタビューに応じ、以下のメッセージを我が国に送りました(以下、日経朝刊:2017/12/24)。

  • 「世界経済をよりよくするために、自国だけを保護するのではなく、各国は協力し合うべきだ」「経済開放は世界にとって重要だ」
  • インドネシアの投資環境については「構造改革を進めている」(世界銀行ランキング:ジョコ氏就任前は120位⇒現在72位)
  • 「中央政府の許可も地方政府の許可も一カ所で申請できる窓口をつくる」
  • 地方振興では「10カ所の新たな『バリ島』(※活性化した地域をバリ島になぞらえた)をつくる」
  • 19年の大統領選に関しては「国民が望めば出馬する」
  • ジョコ政権最重要プロジェクトであるジャワ島の幹線鉄道を日本と協力して建設したい。
  • この鉄道建設に関して日本側と「深く真剣な協議を続けている」
  • 中国の「一帯一路」に関しては「インドネシアの利益にかなう限りにおいて関心がある」
  • RCEP(東アジア地域包括的経済連携)については「18年中の妥結を目指したい」
  • TPP11にも関心はあるが「米国離脱の影響を検討したい」
  • 米国のエルサレム首都認定に際しては、「インドネシアは常にパレスチナ側に立つ」

2018年以降も、インドネシアと日本との関係強化が進みそうです。

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