ZS(ズィースケーラー)今後の見通し
ジースケイラー(Zscaler, Inc.)の今後の見通しを考えるために、まず、金利と株価チャートの推移を参照し、次に、直近の決算を確認します。
目標株価やPERなどの情報も踏まえて主な指標についても掲載します。
金利と株価:過去~現在
※チャート左目盛り:青線は株価推移、赤線は200日移動平均線
※チャート右目盛り:緑線は10年国債利回り
※株価の成長率や前日比(前日始値~前日終値)、52週高値/安値のほか、PER(株価収益率)、時価総額、株式数、取引の出来高などの内容を更新。リアルタイムは無理ですが株価は最大20分ディレイでフォロー。
銘柄比較については関連記事(CRWD/ZS:クラウドストライクとズィースケーラーの比較)を参照
直近決算
9月2日(米国時間)にズィースケーラー(Zscaler, Inc.)は決算を発表しました。
★業績
《四半期》
・EPS:予想0.8$→結果0.89$
・売上高:予想7.07億$→結果7.19億$(前年同期比+21%)
★ガイダンス
《四半期》
・EPS:予想0.84$→結果0.85~0.86$
・売上高:予想7.51億$→結果7.72~7.74億$
《通年》
・EPS:予想3.66$→結果3.64~3.68$
・売上高:予想32億$→結果32.65~32.84億$
★出所
・IRページ
・予想値はinvestors.comを参照しました。
企業概要
ジースケーラー(Zscaler, Inc.)は、クラウド経由で提供するゼロトラスト型セキュリティ基盤「Zero Trust Exchange」を中核に、企業のインターネット接続・社内/クラウドアプリへのアクセス・データ保護・運用可視化を統合的に担うクラウドベースのセキュリティプラットフォームを提供しています。
従来のオンプレミス型セキュリティ(“社内に入れば信頼”の城と堀モデル)とは異なり、ユーザー・端末・場所を問わず通信ごとに検証し、必要最小限の権限で接続するゼロトラストを実装。リモートワークやSaaS、マルチクラウドの普及に合わせ、ネットワーク/セキュリティ/データ保護の再設計を後押しします。
ビジネスモデルはサブスクリプション(月額/年額)中心。FY2025通期売上は$2.673B、Q4売上$719M、年次経常収益(ARR)は$3.015Bに達しました。顧客は9,400社超、Fortune 500の45%超、Global 2000の約40%をカバーし、160+のグローバルデータセンターでサービスを展開しています。
継続収益に支えられつつ、AIを活用した検知・自動化、SOC運用強化やデータ主権対応を拡充。買収/内製を通じて、ユーザー・拠点・工場(OT)・クラウドワークロード・SaaS・SOC運用までゼロトラストの適用領域を広げています。
主な事業領域は以下の通りです。
★クラウドセキュリティプラットフォーム:企業のWeb/SaaS通信をクラウド側で検査・制御するZscaler Internet Access(ZIA)。SWG/CASB/DLP/ブラウザ分離等を統合したSSEとして、拠点・端末を問わない安全なインターネット利用を実現。
★リモートアクセスセキュリティ:VPN不要のゼロトラスト接続Zscaler Private Access(ZPA)。ユーザーとアプリを直接・安全にマッチングし、社内ネットワークを経由させず横移動を抑止。
★データ保護と脅威対策:Zscaler Data Protection(DLP/暗号/分類/ブラウザ分離等)とCASBでSaaS/クラウドのデータ可視化・統制を強化。サンドボックス等の高度脅威対策と合わせて、マルウェア/フィッシング/内部不正による情報流出を抑止。
★デジタル体験監視(DEM):Zscaler Digital Experience(ZDX)で端末・ネットワーク・アプリのボトルネックを可視化し、AIで原因切り分け。運用負荷とダウンタイムを低減。
★クラウド/拠点・OT保護:クラウドワークロード間接続のWorkload Communications、CNAPPのPosture Controlに加え、Zero Trust SD-WAN/Zero Trust Branchで拠点・工場(OT)の東西トラフィックまでゼロトラスト化。
★付帯サービス:導入設計・運用定着のプロフェッショナルサービス、教育・トレーニング、MDR/マネージド運用(買収により拡充)など。
社史:2007年に設立。2018年にNASDAQ(ティッカー:ZS)へ上場し、以降グローバル展開を加速。2020年にアプリ間通信の分割Edgewise Networks、2021年にTrustdome(CIEM)/Smokescreen(ディセプション)、2023年にCanonic(SaaSサプライチェーン)を獲得。2024年はAvalor(Security Data Fabric, AI強化)を買収、同年Airgap Networks(エージェントレス分割)買収を完了し、2025年8月にはRed Canary(MDR)の買収完了を発表。SSEリーダーとしてガートナーMQでも高評価が続いています。
企業のゼロトラスト導入は業界・地域を問わず進展。北米を主軸に欧州・アジアにも拠点/データセンターを拡大し、データ主権(ソブリン)対応やFedRAMP High(米連邦向け)など規制要件にも適合。SASEではZero Trust SD-WANと統合し、ファイアウォール中心の従来型からの置き換えを推進しています。
ワンポイント解説
- ゼロトラスト=最初は誰も信頼しないセキュリティシステム:通信ごとに身元・状況を確認し、必要最小限だけ通す考え方。
- ZIA:社外(Web/SaaS)に出る通信を“雲の上の関所”で検査して安全に。
- ZPA:ネットワークには入れず、必要なアプリだけに“個別のドア”で届ける仕組み。横移動を防げます。
- ZDX:遅い/繋がらない原因を端末~ネット~アプリまで見える化。
【出典】
- Zero Trust Exchange(概要)/ZDX/Zero Trust Exchange At a Glance(PDF)
- FY2025 Q4/通期リリース(売上$2.673B、Q4売上$719M、ARR$3.015B)
- IR:データシート(顧客9,400社超、Fortune500 45%超、G2000約40%、DC 160+)
- Avalor買収/Airgap買収(発表)/Red Canary買収完了
- Edgewise(2020)/Trustdome(2021)/Smokescreen(2021)/Canonic(2023)
- Zero Trust SASE/SD-WAN(2024)/Gartner SSE MQ 2024リーダー
- FedRAMP High(ZIA/ZPA)/EUデータ主権対応(解説)
四半期決算(EPSと売上)の推移:予想と結果
最後に、四半期決算について予想と結果を確認します。
売上高とEPSについて、マーケットのアナリスト平均値と企業の発表を比べてみます。
(単位はEPSがドル、売上高が100万ドル)。
【出典】